2006年09月27日

自動車絶望工場風にっき。

五時起床。
すっかり寒くなってきた。
食堂でご飯とみそ汁を注文。
タラコふりかけと間違えて一味トウガラシを山盛り振りかけてしまう。
タラコふりかけを再度振りかけて辛子明太子ふりかけだと思い込み食べる
結構おいしいが汗が止まらない。

バスが来たため慌てて乗り込んだ。
隣の席の男は以前のり玉ふりかけを静電気で腕毛にまとわりつかせた
毛深い男だった。
鼻息が荒いのでipodの音量をあげて聞かないことにする。

朝から気が滅入ることが二件も続く。

職場の詰め所に行くといつも
酔っぱらっているようなテンションの
もうすぐ定年退職のジョージさんも悩んでいる様子。
水曜日はやはり雰囲気自体がどんよりとしている。

いきなり新しい工程をやるように言われ、朝から指導されるが

トヨタ自動車には「標準作業要項」というものがあり、これに基づいて教育が始まる。
どんな人間でも標準の作業を行えばライン効率は落ちないという
徹底したマニュアルである。
手の位置、製品の持ち方、ねじのつまみ方、立ち位置とその際の靴の方向、今日のラッキーアイテムの身に付ける位置、まで
事細かに規定されている。
これにすべて従わなければならないのだ。
個性とか癖というものをすべて矯正してライン作業を行う。
それはまさに人間ではなく機械への教科書なのだ。

しかし、教える側もすでに標準が自分基準になっているため
かなりあやふやな教え方が多く、果ては教えきった直後に
「わりぃ、間違えとった。全部わすれてちょー」
と二時間かかって教わったことがすべて消え去る・・・
そして次の時間には全く違うやり方を別の人間から教わり
混乱が混乱を呼び何をどうしていいのか解らなくなってしまう。

たかがねじ一個取り付けるのだからどちらかの手でつまんで
片方の手でインパクトを動かせばすむだけなのに。

一日教育が終わると明日からは一人での作業になる。
実は明日以降は
「好きにやってえぇけどタクトタイムには遅れんようにな」
というそれまでのストレスの溜まる教育時間が木っ端みじんに砕け散る一言が待っている。

僕の今いるラインでは5つの工程を二時間ごとで交代して受け持つので
僕はこれですべての工程をマスターした(という事になる)ので
明日以降はどこの工程にいつ入れられてもよいという事になるのだ。

つまり5日間上記のようなストレスを溜まる日を経て一般作業ができるようになったというわけだ。
じっさい全てが一分以内で完結する作業の繰り返しの集合体なので
要は説明を聞いてあとは数をこなすだけで何とでもなるのなのだ。
スライムを延々とやっつけ続ければいつかはバラモスだって倒せるのだ。

しかし期間工のレベルをあげてもマイスターにはレベルアップはしまい。
そんな仕事、いや作業なのだ。

仕事が終わっても悩んでいるジョージさんに話しかけた。
きっと定年後の身の振り方を悩んでいるのかと心配だった。
「あー、じつはさー今日水曜だベ?
水曜日は寮の食堂でバイキングやってっだろ?
俺よぅきんぴらごぼうばっか食っちまうんでよ、
今日はまず、野菜もの食って、肉と魚食ってって順番こ決めてたんだぁ」
明日からも何だか頑張れそうな気がする、
今日の工場の上の青い空のように・・・


元ネタです。35年ほど前のトヨタの期間工として働いた経験で書かれたルポです。

35年前なのに・・・

今も昔もだいたい変わってません!!あわわわ
posted by 今井K at 18:38| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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